ものすごく岡山ローカルの、他人にとってはものすごくどうでもいいかもしれないけど、わたしにとっては大事にしたいことを書きます。

映画館に最後に行ったのは、臨月少し手前だったはず。メルパ岡山の中でも一際こじんまりしたメルパ2というスクリーンで、猫とおじいさんが出てくる映画を観たと思います。

ご時世的にも行きにくい流れがあったりで、それからもう2年程映画館に行っていません。

映画館が好きなんです。映画も好きだけど、たぶん映画館の方が好き。

映画研究部で知り合った両親の元で育ったので、わりと幼い頃から映画館に連れて行ってもらっていました。

幼稚園くらいのころは、ドラえもんとかモスラとか。ジョリービルに行ってたと思う。ドラえもんはオモチャもらえるのがうれしかった記憶があります。

それから少し間が空いて、小学校4年生の時にもののけ姫を観に久しぶりに映画館に連れて行ってもらったことを覚えています。これはメルパでした。

その後すぐにグリーンマイルを観に、表町にあった松竹にいきました。なかなか小4には刺激の強い映画を見せたもんだと思います。ところどころ母親が目かくしをしてくれた記憶があります。

こんな感じで、観た映画と関連して、みた映画館もわりと鮮明に覚えています。楽しくてうれしかったから覚えてるんだろうな。

わたしが1番好きだった映画館は、メルパグランド。10年以上前に東横インになっちゃいました。

高度経済成長期を象徴するかのような豪華な作り(だったであろうと思わせるたたずまい)で、入り口を入ると赤い絨毯が敷き詰められてるんですよね。

わたしが行っていたころは2階まででしたが、本当は4階まで座席があって、その昔父が若い頃には4階席が喫煙席だったと聞きました。

それを聞いてから、一目4階席を見てみたいと思っていたけど、階段の立ち入り禁止のロープをどうしても越えられなかった。

今ならスタッフの人にお願いしてみる、とか考えつくものだけど、下の席から上を見上げて想像することしかできませんでした。

フィルムの頃は火事になることがあるから、泊まり番のバイトをしていた、とか、オールナイトの放映では寝にくる人もたくさんいた、とか、昔の映画館話を父から聞くのも好きでした。

メルパグランドはスクリーンがとにかく大きい。

わたしの記憶では放映時間になるとブザーが鳴るんです。そして源吉兆庵だか廣栄堂本店だかの名前が入った立派な緞帳がガーっと開いて、映画が始まるわけです。そのわくわく感といったらないですよね。

昔はグランド劇場って名前だったみたいですし、ほんと劇場でした。

あーまた行きたいなあ。観たいなあ。

ネットで調べても、内部の写真が全然出てこないのが残念。

松竹も好きだったし、今も現役のジョリー東宝も好き。

ジョリーは椅子が良くなってすごく観やすいけど、古い椅子のころの座席の後ろ側の上海(という中華料理屋)の広告も懐かくてセンチメンタル。

シネマクレールはなんというかリンとした感じが好きだし、いつも面白い映画がみれる。

最近のシネコンも近未来感があって好きだけど、やっぱりわたしは昭和感のある劇場が好きみたい。

どうして突然映画館に想いを馳せはじめたかというと、１月末でメルパ岡山が閉まってしまったからだと思う。

ジョリービルの劇場は残るけど、メルパは駅前の再開発のための閉館とのこと。

個人的な思いですが、再開発はほんとおもしろくない。おもしろいものが全部なくなっちゃう。

シネコンが近くにできても、がんばって続けてくれていたメルパが好きでした。

平日の昼間に行くと貸切のことも多くて心配だったけど、貸切サイコーでした。

始まる前に急いで買いに行く自販機も、和式だらけのトイレも、こじんまり感が最高なメルパ2も、もう行けないのか。

持ち込みオッケーだからミスドでドーナツ買って行ったり、席の指定ないから座るところないときに立見したり、も良い思い出。本当に懐の広い映画館でした。

書いてみればこんなに気持ちは募るのに、わたしは最後にメルパに行けなかった。いや行こうと努力しなかった。行こうと思えば行けた。

日々の生活に流されて、自分の好きを大事にしなかった後悔を感じています。

あーほんと、もう一回行っておきたかったな。

また後悔しないよう、近々ジョリーに行こう。

長くなっちゃいました。

それでは。